私の財産告白

私の財産告白

私の財産告白

林学博士にして巨富を築いた本多静六氏の自叙伝です。
(かなり有名な方で、名著のようです)
文体が古い言葉なので、少々読み難いかも。


書いてある事はいたってシンプルな事ばかりです。
勤倹貯蓄の人生について書かれています。
著者の実体験から、貯蓄、投資、貸借、そして仕事に対する心構えについて書かれています。

本多氏が巨額な財産を形成できた方程式はいたってシンプル。
給与の1/4を貯蓄へ回す。
投資を行う(山林等を購入)。
おごらずに、簡素な生活をする。
そして、財産を寄付する。
(ある一定以上貯まると、処分に困るんだそうです)


本編もさることながら、私はあとがきに書かれている「一般解」と「特殊解」について書かれた部分に、強い印象を持ちました。

その部分のメモ↓

「一般解」は世間一般に通用する
「特殊解」は応用問題の解答として優れている(普遍的なものも多く含まれている)


「特殊解」は万人に当てはまることはないが、現在は特殊解の方が人気が高い
「一般解」は応用が利き、応用したオリジナルが最も力を持つ

但し「特殊解」と「一般解」の距離は大きいし、「特殊解」はそう簡単に視界に入ってこない


世の中は「特殊解」に人気があり、「一般解」に人気がない
しかし「特殊解」に振り回されている


本書に特殊解は無い
全編で「一般解」が貫き通されている
誰もが知っているごく当たり前のことしか本多氏は語っていない
だからこそ、痛烈なパンチ力がある

多勢は奇跡を求めて「特殊解」を探すが、そもそも「特殊解」は探すものではなくオリジナルなもの
人があって特殊解があり、一般解がありそれを実践する人がある


本多氏が語る「一般解」を知らない人は居ないが、実践する人はいない
「こんなことぐらい解っている」か「なるほど」と共感できるか


本多氏が人生で行った勝負は、「誰もが勝てるがほとんどの人がしない勝負」である


(メモ)本書は以下の本でも触れられているようです。
知的生活の方法 続 (講談社現代新書 538) お金の現実 成功読書術 ビジネスに生かす名著の読み方