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- 作者: 萩原俊彦
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2005/08/31
- メディア: 単行本
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父親の死により、突然の出来事で社長に就任することになった主人公が、学生時代の恩師に経営学を学びなおすというストーリ展開です。
経営理念から環境分析、そして経営戦略策定といたる一連のプロセスについて、対話形で説明されています。
又、随所に各経営学者の各理論(コラム形式や図)も盛り込まれており、経営学を学んだことのない私には、比較的とっつきやすい本でした。
企業倫理やリスクマネジメントの解説部分では、昨今の牛肉偽装問題や自動車メーカのリコール隠し、列車の脱線事故等、具体的な例が取りあげられており、その重要性を再認識する事ができます。
以下メモ等
・大企業でなくても経営理念は重要
・経営理念の構造(経営理念 行動規範 長期経営目標)、公明正大さ
・経営戦略は経営理念に従い、経営理念は企業倫理に従う
・コンプライアンスと社会的責任(CSR)の重要性
・リスクマネジメント = トータルサイエンス
クライシスマネジメント
セキュリティマネジメント
コンティンジェンシープランニング
クオリティーアシュアランス
セイフティーエンジニアリング
・クライシスマネジャーの力量により、危機のインパクトは大きく変わる
・経営分析、経営戦略策定、経営戦略実行の三段階を区別する
・SWOT分析等のフレームワークを自分のものとして使いこなす
・時には、経営理念に立ち戻り、経営戦略を何度でも練り直す
・経営戦略の層状構造
(下位)→ → → → → → → → → → → → → →(上位)
機能レベルの戦略→事業レベルの戦略→グローバル戦略→コーポレート戦略
・戦略は縦割りではなく、横割りに
(人事戦略、物流戦略等のように縦で割らない)
・バリュークリエイト(価値創造)している部門を中心に、経営戦略を練る
・経営戦略とは、何をやらないかを決めること
・多角化戦略の7つの分類(リチャード・ルメルト)
・4つのシナジー効果:販売、投資、生産、マネジメント(イゴール アンゾフ)
・経営戦略とは何をやらないかをきめること
・コーポレートガバナンス
外部 ←(貢献)(誘因)→企業←(貢献)(誘因)→内部
・X非効率コストとインフルエンスコスト
(X非効率コスト大) (インフルエンスコスト大)
(一般社員) → 管理職 → 経営者
エージェンシーコストの最小化
・危機の4つの次元
システムの範囲(X軸)、システムのレベル(Y軸)
部分システム 全体システム
物質的 小事件 偶発事故
象徴的 軋轢 危機
クライシスマネジメントは兆候期を認識して、適切な対策を講じる
(具体的な事業レベルの戦略)
コストリーダシップ戦略か差別化戦略か
(的を絞るor絞らない)
・製品または事業のライフサイクルに応じた戦略
初期
成長期
隆盛期(マーケットセグメント、製品・サービス :既存、新規)
衰退期
リーダーシップ戦略
ニッチ戦略
収穫戦略(ハーベスト戦略)
事業売却戦略
軸:x 衰退産業内での競争の程度(厳しい、緩やか)
y 残された需要に対する当該企業の強み(少ない、多い)
・商品開発と市場開発の連携
・経験曲線(ボストンラーニングカーブ)
単位コストと累積生産量との関係
・機能レベルの戦略は、現場の従業員が日常的に取り組む戦略活動
・MECEなフレームワークで考える:モレなく、ダブリなく
・NPV法(DCF法)がキャッシュフロー経営の基本
・運転資本=ワーキングキャピタルに留意する
・楽観的に構想を練り、悲観的に計画し、楽観的に実行する:京セラ稲盛氏
・フリーキャッシュフローとは、事業の継続に必要な投資額を控除した後に手もとに残る純キャッシュフローのこと
・負債の存在が組織の効率を向上させる場合がある
・最適資本構成をみつける
・企業価値とは企業が生み出すフリーキャッシュフローの現在価値である
・企業価値を最大化する方策の束が経営戦略
・マーケットが効率的=エフィーシェントであれば、理論上の株価と実際の株価は一致する