ニッポン型上司が会社を滅ぼす!

インパクトのあるタイトルに惹かれて読んでみました。
ちょい過激?なタイトルの割には、中身は平易な文体です。

ニッポン型上司という特有のふるまいを定義した上で、こういう勘違いしてませんか?という問いかけと、その対処方法がまとめられていて、思わずうんうん頷いて読んでいました。

著者は、上記からも解るとおり中国の方です。
なので一見、外野から「ニッポンの上司は〜」と言っているように見えますが、国費留学生として中国から北海道の大学に入り、そのまま北海道のソフトウェア開発会社を得て起業しています。
キャリアの大部分を日本で築きあげた方ですので、日本の会社というものを自分の目で見、肌で感じているので説得力もありますよね。


ここでとりあげられているニッポン型上司は、戦後の高度経済成長、そしてバブル期に醸成されていったと思います。そして、当時はそれで良かったのでしょう。
しかし、世の中が変わり、ビジネスモデルもどんどん変わっていくと、当然同じやり方では上手く行きません。この事実を、理解ではなく共感していないと本書のような行動のどれかをとってしまうのかもしれません。

読んでて爽快な気分になったのと、反面教師にしなくてはと、ちょい汗しながら読みました(^^;

ニッポン型組織の根本的勘違い
・上司と言うだけで、部下より人間的に優れていると思っていなか?
・部下は上司と会社に黙って従うものと思っていないか?
・会社は我が家、部下も家族と思っていないか?
・部下の管理監督が上司の仕事だと思っていないか?
・会社の正義=社会の正義と思っていないか?
・「がんばれと」いう精神論に終始していないか?
・うわべだけの「やさしさ」は一番残酷だという事に気づいていないか?
・思いつきを次から次へと指示し、矛盾していないか?
・カタカナ英語が大好き、でも英語は話せない?
・部下にタダで丸投げ発注していないか?
・流れに取り残されていないか?
・成果の出ない構造になっている成果主義をやっていないか?
・頑張る奴程偉いという口癖で評価をあやふやにしていないか?
・結果=成果で、部下を駄目にしていないか?
・成果主義を生かす、プロセスを設定できているか?
・成果は売り上げで計れるという愚かな誤解をしていないか?
・文化とビジネスをごちゃ混ぜにしていないか?
・曖昧アポイントをしていないか?
・わからないから曖昧になっていないか?
・アナログ人間という言い訳をしていないか?
・曖昧さの危害に気づいているか?


メモ

・部下の成果とは部分成果である
・パンがおいしくなるのは、作り手ではなくおいしくなるプロセスがあるから
・優秀な職人は組織には不要
・プロセスマネジメントとは、プロセスを独自に設計し、細かい工程に分化し、事実を計測しながら改善と評価を行う
・「なんでもする」というのは、一見モチベーションが高いように見えるが、実はこれが無駄
・上司は部下の働きに正しい値段をつける
・すぐれたマネジメントは、社員の価値観の違いも認める
・組織を効率的なシステムにするために
1)目標を明確にし、それに向かうプロセスを設定する
2)組織の構成員が、指示に従い、プロセスを確実にこなすこと
・小義を捨てて大義を目指す
・差はエネルギーを生み出すDifferenceであり、「差別」ではない
・「差」は愛せるものであり、なくせるものではない